老後破産や介護離職について考える

団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)になる2025年頃に医療・介護などの社会保障費が急増する、いわゆる2025年問題については、いろいろなところで言及されています。

このときに起こりうる介護離職、老後破産などの問題は、我々終活世代にとっ知っておかなければならない問題と言えます。

先日この問題に関するセミナーを受講しましたので、関連情報を交えつつシェアします。

2025年問題とは

2025年問題とは、戦後のベビーブームに生まれた、いわゆる団塊の世代の約700万人が2025年に期高齢者(75歳以上)に到達し、介護・医療費等の社会保障費の急増が引き起こされる問題です。

令和2年度の統計では、後期高齢者派の人口は1,849万人、総人口に占める割合は14.7%。これが2025年には約2,200万人まで膨れ上がり,全人口の4人に1人は後期高齢者となり、前期高齢者(65〜74歳未満)を含めた高齢者の割合は総人口の30%を超えると推計されています。

内閣府・令和2年版高齢社会白書(概要版)より

したがって、医療や福祉などに費やされる社会保障費が膨大になって、国家財政上の大きな問題になると指摘されています。

 

これもよく話題にされますが、平均寿命のほか、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」、いわゆる健康寿命についても、厚労省の統計が出ています。

これによると、男性は約9年間、女性なら約12年間も介護が必要になる可能性があります。

 

要介護状態になった状態での老後破産・介護離職

一方で、現状すでに、要介護状態になった時点で老後破産に陥る高齢者が後をたたないとのこと。

さらに、介護者を巻き込み、働き盛りの団塊ジュニア世代の介護離職の問題も大きくなっています。

内閣府・男女共同参画局資料より

介護離職者は年間10万人にも及んでいます。

今後、2040年ごろをピークに高齢者の人口が減少していく「多死社会」に突入していくといわれています。

あと20年足らずで高齢者の人口がピークを迎えるとすれば、これを受け入れる高齢者施設や病院側も必要以上に業務を拡張することはしたくないと考えます。

したがって、受給の関係からも、今後在宅介護がますます増えていき、それに伴って介護離職もさらに増えていくと予想されています。

 

介護離職者の実態

仕事と介護の両立が難しいと考え、介護離職に踏み切るものの、いざ介護離職をすると、精神的・肉体的・経済的負担は減ることはなく、むしろ増えるのが実情のようです。

ケースにもよると思いますが、可能なら介護離職は避けたいところです。

厚労省「仕事と介護の両立に関する労働者アンケート調査」より

 

老後破産が増える理由

2000万円問題などで老後資金をいかに準備するかが話題ですが、現状においても老後破産、つまり生活に困窮する高齢者が増えているそうです。

令和2年の統計では、日本の人口の約1.63%、約200万人、約163万世帯が生活保護を受けており、そのうち高齢者世帯が約90万世帯、そのうち9割は単身世帯(独居老人)となっています。

一方で、生活保護も受けず、生活保護水準を下回る低収入で暮らす高齢者世帯も多く、一説では200万人とも言われています。

老後破産の特徴としては、生活に困っているにも関わらず、周囲に助けを求めない人が多い、という特徴があるとも言われます。

これは助けを求めない、というより助けを求められることを知らない、とか、助けを求める環境ができていない、というのが実態だと思われます。すなわち、

  • 税金・年金・社会保険などの公的制度を知らない人が多い
  • 自治体の窓口に相談しても縦割行政によって総合的な意見を聞くことができない
  • といって税務署や専門家に相談することもしないし、できない
  • 家族関係が希薄化しお互いにサポートし合うことがない

つまり、高齢者やその家族、その会社も含めて、公的な補助や軽減制度、あるいは介護そのものについての知識がないため、不要な税金を支払ったり、公的な様々な制度を活用できない。
行政窓口に行ってもたらい回しにされ総合的な意見を聞くことができず、税務署や税理士等の専門家にも敷居が高く相談することもないため、少しのアドバイスで大きく税額を軽減できるのに、それができない。
家族も関係が希薄化しているため、家族のサポートで必要な手続きを受けることもできない。

ということだと考えられます。

例えば、障害者控除を受ければ住民税の課税世帯から非課税世帯に移行できて様々な負担軽減措置を受けられるにも関わらず、それを知らずに放置している、めんどうがって申告手続きをしない、手数料を惜しんで専門家に相談しない、などの結果、蓄えを使い果たしてしまうなどは、よく見られる事例だそうです。

 

将来に備えるべき資金とは

例の2000万円問題では平均的な高齢者夫婦世帯の年金収入と、平均的な生活費の差額から、2000万円という数字を例示していました。

しかし、この数字は故意にかどうか、介護費用を全く考慮していない数字です。

先程のように、統計として、男性は9年、女性は12年の介護期間があると考えると、その間の介護費用は生活費にプラスしてかかってくるわけです。

公益財団法人生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査/平成30年度」によれば、月々の介護費用が平均で7.8万円、最も多いのが15万以上、という調査結果がでています。

とすると、仮に10年間介護が必要とすると、先の2000万円に加えて1800万円(15万×12ヶ月×10年)、合計3800万円を用意する必要がある、ということになります(例えばの話です)。

そこで、我々に必要なことは、早いうちからライフプランを立てて将来の必要資金を把握し、準備すること、様々な公的な制度(例えば障害者控除、寡婦控除、扶養控除、世帯分離の活用など)を知っておいて、いざというときは適正に活用できる知識を備えておくことだと言えましょう。

 

今日の終活

人生を終わりまで楽しく暮らすためには、訪れる可能性の高い自分や親の介護について、目を背けることなくしっかりと備えておくことが重要ですね。

でっく
でっく

知は力なり、です

 

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