大往生したけりゃ医療とかかわるな〜「自然死」のすすめ(中村仁一)

大往生したけりゃ医療とかかわるな〜「自然死」のすすめ

大往生したけりゃ医療とかかわるな

死ぬのは「がん」に限る。ただし、治療はせずに。

3人に1人はがんで死ぬといわれているが、医者の手にかからずに死ねる人はごくわずか。中でもがんは治療をしなければ痛まないのに医者や家族に治療を勧められ、拷問のような苦しみを味わった挙句、やっと息を引きとれる人が大半だ。現役医師である著者の持論は、「死ぬのはがんに限る」。実際に最後まで点滴注射も酸素吸入もいっさいしない数百例の「自然死」を見届けてきた。なぜ子孫を残す役目を終えたら、「がん死」がお勧めなのか。自分の死に時を自分で決めることを提案した、画期的な書。(Amazonより引用)

10年前の本ですが、今更ながら読んでみました。当時のベストセラー本ですので読んだ方も多いのではないでしょうか。

本書はタイトルからする一見、医療不要論のハナシにも思えますが、決してそういうものではなく、著者がいうところの「繁殖を終えて、生き物としての賞味期限の切れた年寄り」に対する提言であります。

「老い」を「病」にすり替えず、できるだけ自然に「死んでみせる」のが年寄りの最後の仕事だ、というのが著者の主張。

過激なタイトルですが、中村医師がおっしゃっていることは僕の考える「終活」とも近似していて、かなり腑に落ちるものがありました。本書の言う「死を考えることは生き方のチェック」「自分の死を考えるための具体的行動15か条」は、まさに終活そのものです。

 

(続編)やはり死ぬのは、がんでよかった

 

やはり死ぬのは、がんでよかった

『大往生したけりゃ医療とかかわるな』が52万部のベストセラーになり、約9年。「死ぬならがんに限る」といっていた著者は末期の肺がんになるも、「医療とかかわるな」を実践。多少の息苦しさはあるものの治療は一切受けず、痛みもなく、残された日々を穏やかに過ごしている。前述の本に、現在の著者の病状や心境を加筆したものが本書。「がんは身辺整理をする時間があるからいい」と思っていたが、実際その状況になってみると……。親の務めは、子供に自らの死にっぷりを見せることだという著者の最後の日々を綴る。(Amazonより引用)

 

つい先日、著者の中村仁一医師はこの本のアップデート版を出版されました。

前著で「死ぬのはがんに限る」という念願かなって(?)、昨年、自らが肺がんに罹患していることがわかったそうですが、信条に従って一切治療はされていないとのこと。この本自体は前著の加筆修正版なので、本筋は前著と同じでしょう。

がんを放置すると穏やかに死ねる、という前著からのご主張は実際の著者の体験に基づくものでそれなりの説得力があります。ただ、あくまで老人ホームという特定の環境での一定のサンプルの話ではあります。

僕の体験からしても、がんを放置しても穏やかとは程遠い最後を迎える場合ももちろんあるわけで、こればっかりは人それぞれ、というしかないような気がします。

それでも

少なくとも、年寄りは、繁殖を終えれば死ぬという自然界の“掟”に反して、他の生きもののいのちを奪って生かされている存在

という言葉にはハッとさせられますし、

人は生きてきたように死ぬ
「死を視野」に入れてこそ充実した「生」がある
「老い」には寄り添ってこだわらず、「病」には連れ添ってとらわれず、「健康」には振り回されず、「死」には妙にあらがわず、医療は限定利用を心がける

などの言葉はよく噛み締めたくなります。

中高年におすすめの一冊です(今ならアップデート版のほうをおすすめします)。

 

ところで、繁殖を終えた人って、いくつからになるんでしょうね。
僕なんか微妙に入ってるような入ってないような(^^;。

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